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2011.04.09 16:18|果樹園の絵日記
月光 Wilhelm Kempff plays    月光 (手本)
DSC07128 (3)

♪初夏からのお休みと秋からの体調不良でピアノに遠ざかり 月光は輝くことなく2011年を迎え、やっと再開できたこの名曲は、春もおぼろの三月にどうにか月の光を見せ始め果樹園に音の波紋を~~広げられそう。

・・・・・・・上級者の第三楽章/月光(3) 華麗なる月の光のこの難曲は私には生涯弾けそうにありませんが。





♪2010年一月に練習に取りかかり、春にどうにか運河の流れる♪が見えてきた舟歌・・・これも美しい曲です。
ベニスの舟歌
DSC06774 (4)
  音楽性を深め 更に弾きこなさないとこの曲の良さがつたわらない
 舟の水音がゆれるように・・・・♪復習が必要なのです!

貴婦人の乗馬 
この曲も一応終了はしたものの この演奏をお手本に ♪復習したい曲です。
愉しいお馬の足取りが・・・・。

 
先生曰く、次回はノックターン=ショパンはどうかしらと・・・・
弾ければこの上なく嬉しいが到底及びそうにない、この手この耳この指
4月になってこの曲の練習に入りました。
++++難しい+左手の指が複雑

Nocturne, op.9-2 (Chopin) 演奏:フジコ へミング
ノックターン 作品9-2  演奏:寺嶋陸也

DSC07188 (3) 弾きこなせたら画像を拡大します。
秋の夜は テラスでワイングラスを傾ける夫に聞かせられるかしら????
 いつの秋かまでは期待しないで練習しましょう!
フジ子・ヘミング~ノクターン(遺作)
この曲は、きっと何時か弾きこなせるようにと!密かに願う一曲です。

幻想即興曲 フジコ・へミング 彼女が弾くと作曲家の魂が天上から降りて来たような響きです。
ショパンワルツ 64‐2 バレエ シルフィードの中でも使われてる曲。
69-2

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2011.03.04 15:18|果樹園の絵日記
DSC01717 (3) 加齢による網膜剥離の回復手術をうけて

長い静養は冬のさなか・・・春が来たら又踊れる♪を唯一の楽しみにジッと暮らし
ピアノからも遠ざかっていた長い冬の日々、少し春めいた朝日に歓び、ひとり陰と踊ってみる
  

・・・やっと雛祭りの季節がめぐり来て・・・
DSC02183 (4) うれしいしレッスン解禁。また動ける!

DSC02184( 5)  ここに立てる有難さを実感するじかん
DSC02184 (4 DSC02186 (2)
医師から「力を入れない様に」と注意を受け静かに暮らした約4カ月の後は、体にふんわりとやわらかい筋肉が乗っているよう。
我が身の重さを感じながらも踊れることって素晴らしい!



≪レッスンを堪能し、少しばかり痛む腰を気にして帰宅・・・
   待っていたものはポストの中にありました

恒例のお花見同級会のご案内を先日お出ししたので
・・・ぞくぞくと返信のはがきが届いています・・・・・・・・

参加できない友~のはがきも数通あります。
『義父の介護』『夫の体調不良』などなど・・・・
私の歳になると『いろいろ有りますよ!たしかに。』
すでに案内状をお出しする先の無い友もあり、とても寂しいですね。

   私自身 失明しなくてよかった! とか
       夫も元気で毎朝一緒に散歩が出来るワ!とか
   今日一日の健康こそがなにより有難く思えるのです。

恒例のお花見同級会は『何時か参加できる、その日が楽しみ!』
返信のコメントを戴く友の為にも、なるべく長く元気で続けていきたいものと思っています。
中学、高校と一緒に学んだ(お喋りばかり)かけがえの無い友、友、友
もう一度(それ以上に)心おきなく顔を合わせ、お喋りに興じたい老後です。

 頑張らなくっちゃ お婆ちゃん!
目標は無い 今日一日が目標です もうそんな歳なの(笑)
DSC02179 (2) ←春を喜ぶ庭のクリスマスローズ
残された時間は?ですから、いっそう大切なことのために、大切な人のために
この一日を過ごそうと 犬と散歩の後は遅れているピアノに向かいます。

 友の上にも良き一日がありますように
2011.02.02 09:40|果樹園の絵日記
 フランスのブログ友 Eさん
闊達なお洒落で方で ライトで明るいタッチの挿絵が素敵な夢を振りまいてくれるEさん
今は辛いリハビリを雪で埋もれたパリで頑張っている。


 
 この時期になると今もこれからもずっと続く私のリハビリ生活を改めて想う。

 1月末の寒い朝 下肢に冷えを感じながらバレエレッスンに向かい
あいにくお休みの先生、若い講師のセンターレッスンでの激しい(50歳代には)コンテンポラリーの動きを続く、 突然 体が雷に打たれたように私の中から バリ~ン と響く音がして床に落ち込む。

翌朝はいつものように車で出勤して午前中に仕事を片付け 『気になるあの音 痛みもなく歩けるが・・・』とにかく病院へ行く。
幾つかの検査を終えた医師の説明では 『前十字靱帯の断裂で回復手術は出来ない 当分ギブスを着け安静に』との事で、右足はギブスで固められ 2本の松葉杖の歩行訓練を受ける。

治療は終わったものの 車を運転して帰れない状態、しかも、車には愛犬が乗っている。
代行運転をお願いしたが、酔っ払い相手のビジネス、夜にならないとドライバーは出勤しないとの事で 夜になってやっと愛犬ともに帰宅したのは・・・もう10年も前のことDSC03699 (4)


 それ以来、ずっと私のリハビリなのかトレーニングなのか区別もなく続く

足首に1kgの重りを着けての散歩は何年も続けるのには退屈で、今はここで果樹園の労働が快適なリハビリになっている。
果樹園では美しい果樹の花や新緑や赤く実った美味しい果物が 優しく有難いリハビリ仲間になってくれ励ましてくれる。毎日 誰かしら野鳥もやってきて話しかけてもくれ、単純に歩くよりも2~3メートル脚立を上り下りしてする作業は筋肉を着ける上で効果が上がる。

『筋が切れたままの分は周囲の筋肉を鍛え支えないと膝の関節がズレて水が溜まります』此の忠告は厳しいもので、少しでも怠けると足の筋肉は衰えるから胃袋と同じリズムで付き合う事になる。

 ギブスが外れしばらくたってから両側面に金属入りの仰々しいサポーターを着けてバレエのレッスンをする。
バレエは常に正しい姿勢(アライメント)が要求されるので格好のリハビリだと思う。此のリハビリは医師も勧めてくれた。
3月初めにはテープを足に巻いて舞台で踊ったのだから 我ながら『まだ、若かったんだなぁ』と思うが、あの頃は必至で痛みにも耐え慎重に加減もしながらレッスンをしていた。
痛みよりも何時になったらまた自由に踊れるのかとの不安が大きく 再び自由に踊りたいと云う気持ちだけが支えて呉れていて、『きっと良くなるね』と祈りなが我が膝を両手で擦っていた。DSC04019 (5)


 この歳になってみると、あのアクシデントとリハビリの日々が大きな財産と気が付く。
いずれにしても70歳・80歳を超えれば足腰の衰えは相当なもの、しかし、早いうちに筋肉を鍛える習慣と生活が身についたことは『命ある限り美しく動こう』と、勇気と目標をくれたような気がしている。


 美しいパリの雪の中で辛いリハビリを続けられる Eさんへ
『命ある限り美しい絵を描こう』ではありませんか。
手術時間(20時間に及ぶ)からも長いリハビリが必要な事でしょう、大きなお怪我は時々痛みを呼び覚ますでしょう でもそれも全部貴女の親愛なる人生。
3DSC08246 (2) ご回復祈っています。
2011.01.20 08:05|果樹園の絵日記
 『愛着がわく』とか『愛情が持てる』と云う部類の問題はどうやら自分自身の側に大きなウエイトがあるような気がするようになった。
と、そんな気持ちになってきたのは年齢的に一般的な欲望(金銭、美味しいもの、身を飾るなど)が希薄になったこともあるだろうが、その事により世の中を観る角度が違ってきたことが大きいと思う。

どのように違うのかと言えば 人生の残りを具体的な年数として実感すると、残りの人生を無駄にしたらもったいないとばかりに大事な事柄の順位が急激に大きく入れ代わり、
物を見るレンズの並び変えが突如起こった様なものだろうか。

 要するに自分の中の変化で今まで見えなかったものが一番良く見えるようになり 自分を通して観るレンズで見ていたものが薄れ 相手から放出する輝きを通して観るレンズの存在に気が付いたのだ。


DSC01494 (2) DSC01498 (3) サクランボの花芽一つにしても
昨年までは 収穫することequal美味しい果物を食べ友人達にも送ろう、できたら売ろうか等とする我が身の要求が先に立っていた。
しかし、この欲望に距離を置きサクランボを見れば、樹皮には昨年来の傷みもあり害虫の姿もあり気になる。
我が身の欲望のためにサクランボの樹皮を美しく保つのは精神的負担でもあり、しぶしぶ作業する結果となり最低限の手抜きとなっていたが、この欲望が無くなれば作業はいたって快適になる。

この冬は 『収穫は天からの恵み』 と伴侶にも言い、かつ自身も得心すると樹皮を磨き上げて艶のある樹皮が蘇えると無性に嬉しくなり、そればかり陽光の溢れる庭で労働できる境遇がさらに嬉しさを増す。
DSC01502 (2) DSC01181 (2) 収穫の目的から離れ

果樹の保護者であり自然の番人として果樹に愛情を傾ける事で得られる この心のゆとりと豊かさは収穫と食べる楽しみより先の悦び事と気付く・・・収穫は天の恵み 食は其の恵みに喜びと感謝をささげる行為と。
果実にしてみても一方的に収穫の為とばかりに手を入れられても心地よくは無いだろうし、人間の見え見えの欲根性には機嫌を損ねるだろう。

 金銭が流通の軸ではない時代、物々交換の時代には人間の感覚や感情は長閑だったのかも知れない。
紙のお札で何でも手に入ることが限りなく欲望を煽り立て、返って我が身を苦しめ慌ただしくさせていたに違いない。


 今更なのか今だからなのか この感覚は人間関係も同じと気が付く。遅かりし!なのか。
欲に追われる生活からは伴侶の気持ちの前に我が身の都合が先立ち、一事が万事他の人間関係も似たようなもので自分の都合や利益が優先されていたようだ。
果樹との付き合いのように変わる時が来たのは嬉しいかぎり。

人生は短いのだから。
欲がなければ生き難い若い時代はともかく そう欲張らずともなんとか暮らせる老後になれば、早目に欲を捨て新しいレンズで周りを見直すのも悪くない。

 DSC03761 (3) 果樹の気持ち 
 DSC01348 (2) ペットの気持ち 
 DSC01247 (4  伴侶の気持ち、空っぽの自分にはどれも素晴らしい光りを放って見えてくる。

 新しい愛着が真珠のネックレスから置き換わると、指輪を捨てた少しガサコソとした手には愛情があふれてくる。



(2011年冬の農作業は今までとは違う重さの無い愉しさが、これは伴侶との生活や心の関係に大きな変化があったからで、精神的な拡がりが日々感じている重さを取り去っているように思える。農作業ばかりでなく生活そのものの色調も軽く明るくなったように感じている。)
 




2010.12.15 12:50|果樹園の絵日記
退院生活の第一歩は
病院の玄関前にあるSTARBUCSから始る。

目の中のガスが大きな水溜まりくらいになり 一歩足を踏み出すとポチャンと水たまりに靴が入りそうなおぼつかない足取りで、コーヒーショップに入りケーキと熱いコーヒーを頂く。
「娑婆に出た」なんて 映画の台詞にはあるが うん!そんな開放的なホット感もする。 

 駐車場では愛犬のレディーが キョトンとした顔で私の出現を一瞬怪訝そうな顔で出迎えてくれた。
何時もなら車の窓からすぐに外を見たがるのだが 私にべったり寄り添い呼吸を合わせ張り付いている。
留守中はどう思っていたのか見当も付かないが 其の息遣いから犬の気持ちは伝わってくる。

 DSC00778 (2) 帰宅した私を迎えてくれたのは友人からのお見舞いの手紙やクリスマスの香りのする心と手造りの小物やお菓子。

DSC00788 (2) ツリーを壁に飾り、夫の用意してくれた寝具に潜るとぐっすり眠った。(良くなったらぽつぽつ楽しみながらお返事を書こう)

 「何もしなくていいよ!」「ジッとしていて!」と言ってくれる夫に半信半疑で従う、何もしない生活の
先ずは夕食どき、息子に退院の報告の電話を入れると 孫娘がおじいちゃんに代わってと言う。
「お爺ちゃんの作ったラーメンは美味しいから お婆ちゃんに野菜をたくさん入れて作ってあげて!」と言っている。結局お昼に食べた中華屋さんの野菜炒め定食と炒飯がお腹に残って、私はリンゴをむいて夕食にした。

 翌朝も 聞くと「パンを焼いてバターを塗って、後はコーヒーかナ。」と寂しい返事。林檎・バナナ・キウイフルーツを切り1日目の朝食を済まと、確かに家で飲む入れたてのコーヒーは何は無くとも気持ちがホッとする。
DSC00730 (2) 朝の光の中に浮かぶ懐かしい庭や果樹園に誘われ 帰宅後初めて庭に出る・・・黄色い白樺の葉が残り少なく揺れている・サクランボの木にも僅かに良い色の葉が残り 他はほとんどが樹の葉を落として冬近しの果樹園になっていた。
 庭とそれに続く果樹園の空気は軽い。病院の空気は白い木綿の布のよう、心地も悪くはなく、そう重くもないのだが時間がたつとその僅かな重みがずっしり疲れになって溜まるような感じ・・・。
ここの果樹に囲まれた空気はごくごく薄く淡いブルーのシルクのよう。
きらきらと、さらさらと小刻みに揺れ変化して輝く透明のまったく重さのないもので、疲れが溜まるどころか疲れは軽くなって行く。
午前中を果樹の間や野菜畑の小道や芝生の庭でだらだらと犬を相手に過ごすと 「お昼だよ!」
 
少しばかり期待しなくもないが 「レトルトのカレーがあるから」と言うではないか?
レトルトのカレーをそれでも おいしい!よと自分に言い聞かせながらいただくが不安が・・・
案の定、その後トイレのお世話になることに。

私の体はとてもわがまま。
寒ければ寒冷じんましんに悩み、冬の温かさは乾燥肌、夏の暑さは汗疹、虫刺されは広がり熱を持つ事も。
食べる事も、多過ぎたり気に入らなかったりすればトイレのお世話になる。
日頃は健康で病気知らずの私とこのわがままな体とのギャップは 良い子振りっ子する素直な私と本来わがままな私とで折り合いがつかない結果だろうと苦痛も感じないでいる。

入院中は毎朝Nsが一日のトイレの回数を聞きに来るが、0&7、0&7,0&7、6&8,6&7,5&7、5&7・・・の連続。
しかし、これからの私の体と家事に翻弄される夫の健康を思うと 之ではいけない!

 冷凍室に下ごしらえしたビーフ(すね肉)が軟らかく眠っているので 夫に「牛肉と根野菜のスープを作る」と言うと乗ってきた。
「冷凍庫からビーフを出し、キッチンのその辺に放っておく」「次に野菜を用意する」と私の言うままに夫は動く。「ジャガイモは駐車場の奥、ニンジンは冷蔵庫の野菜室、里芋はキッチンの隅の箱の中」
「牛蒡は畑に埋けてある、葉っぱが土から出ているので判る」と言ったものの夫に牛蒡の葉の形は判らない。
ウッドデッキから身を乗り出し畑の牛蒡のありかを教えて・・・野菜の準備も整うと皮むきに掛る。
夫は野菜を洗い ジャガイモは皮むき器(peeler)を初めて使って剥き、2~3周りほど小さくなったジャガイモを半分に切る。
牛蒡は包丁の背で優しくと教えると皮を薄く落とし、「牛蒡を回しながら切ると乱切り」とその通りに切っている。
切った牛蒡は水にさらし、ニンジンも同じように乱切りにすると残るは問題の里芋。
小さい里芋を見本に私が剥いて見せ、夫が挑戦するがなかなか・・・包丁を途中で皮むき器(peeler)に変えたり、又包丁でと苦戦の末に里芋も切り終わる。

お鍋に野菜と水を入れ昆布をハサミで切って、その頃には解け初めているビーフも汁ごと加えて弱火で煮込む。
・・・時計を見るともう5時をとうに回り(随分野菜を切るのに時間がかかってしまった。)
「一時間も煮込むのだと夕食には食べれないね。」「支度をするからもう休んでいて」と言うので愛犬と寄り添ってのんびり過ごすことにした。
その日のディナーは
さつま揚げの切った物 「野菜がいっぱい入っていて紀文のより高くてうまそうだから 先に食べててよ!」
ハムの厚切りに、その厚みに合わすかのように7ミリ幅のキャベツの千切りが添えられたお皿
 ・・・「ご飯は炊き立てだから 食べて!食べて!」とさかんに勧めてくれた。
 (今日はお買い物からお掃除、入院中の多量の洗濯までして食事の支度をしてくれた夫です。)

しかし平凡な人生に於いても奇跡は不意に起きたり、女神や聖母様が舞い降りてくることもある。

 退院2日目(3日)の朝は昨日煮込んだ牛肉と根野菜のスープとトースト、コーヒーを夫が用意してくれる。
ふっくらと美味しいボリュームのあるスープで久々の我が家の温かさをいただく。

昼に夫は漬けものを作るといい 沢庵用に買った干し大根を3本は縦に6割して小口切りにし、2本は乱切りにした。DSC00784 (2)

切った大根を大きなガラス瓶に入れると 私がお鍋で調合した福神漬用のつけ汁を注ぎ、乱切りにした大根も瓶に詰め、雑誌「やさい畑」に載っていた醤油漬けのレシピを見て自分でつけ汁を作り瓶に注いだ。
DSC00822 (2) 出来上がった瓶の中の美しい色に私ですら感動した。

夕食には 夫は朝食の後の牛肉と根野菜のスープにカレーのルーを加えアレンジした。
里芋のトトロ感とカレーのオリエント風が不思議に良く合う極上のスープに夫は自ら感動して 白いご飯を少し加えてお酒の後に満足げに食べている。

・・・そしてついに 夫の口から 「このお肉の下ごしらえを明日教えて!」 と素晴らしい一言が飛び出すことになろうとは 僅か2日前の退院の日には想像すらできない事であった。

 翌日の午前中に買い物に行き 和牛筋肉1kgと和牛すね肉700gを買い 午後から二人でキッチンに籠る。
先ず、筋肉とすね肉をキッチンの入り口にぶら下げてある DSC00681 (2)
月桂樹の葉を入れ煮こぼす。DSC00798 (2) DSC00678 (3)

 こうして灰汁と余分な脂肪を抜いた2種類のお肉を 水を加えニンニク・生姜・セロリやパセリの茎と月桂樹の葉を加えて煮込む。
私の長年の秘訣を教ると夫は素直に従い、こうしてお肉は下ごしらえが完成!
筋肉は美容と関節の為のコラーゲンを摂る為、すね肉は体力を付ける為、どちらも旨み成分はすこぶる豊富なので合わせて使っている。

カレーの分、シチューにする分、スープにする分等に冷めてから冷凍保存パックに入れ保存すれば何時でも使えるよ。と説明すると・・・ 「カレーを明日作るから教えて!」 
私は思わずフ~ット上昇気分になる。

 手術をしたばかりの目を回すことになった翌日は
ベーコンエッグ付きの朝食を用意してくれ 熱いコーヒーとともに美味しく戴き 陽が射す暖かい台所でカレー作りに取り掛かる。
もう私が脇に付いている必要はない・・・大根を何本も細かく切った夫の包丁の腕前は冴えていた。
DSC00828 (2) 生姜・ニンニクも微塵切りにして
フライパンで炒め良い香りがたつと大ぶりに切った野菜を入れDSC00831 (2)
見事にカレーが出来上がると DSC00839 (2) お皿によそられ脇には
得意気に上達したスレンダーなキャベツが添えられていた。

DSC00838 (2) 脇役は手造り福神漬とサラダ DSC00884 (2)
   ふくよかな 熱々ホームカレーの味が広がる

之を翌日 さらに翌々日と温めなおすと お肉は口に入れただけでとろけ、メークインは中まで黄金色に染まった濃厚なカレーとなり芳醇なカレーはどこのレストランでも味わえない我が家だけのカレーとなる。
DSC00886 (2) カレーの友 DSC00898 (2) も出来上がり
 夫は見事に我が家のコック長となった。

 夫の料理を紹介:
DSC00836 (2) 大根の醤油漬け・・・おつまみにめっぽうイケる味
 
DSC00865 (2) ほうれん草・蕪・若芽の汁&竹輪入りコンソメDSC00872 (2)

DSC00879 (2) 入院前に作り古くなった浅漬けをごま油で炒め胡麻をふって
DSC00891 (2) それに卵を加えて作った夫の炒飯は創作料理とても美味しい!
 この才能は、夫が何時も観ていたTVアニメ『おいしんぼ』の知識と、数々の料理番組が視覚から味覚として蓄積され花開いたものと思うのです。


・・・・夫の料理の腕が上がる頃 私の目の中のガスは小さくなり
    小さな水たまりからイクラの粒くらいになりコロコロと目の中で転がる。
    そして12月5日には数の子の粒になったかと思うと翌朝には消えいた。

ベターハーフになる日

 夫はさらにクッキング欲が出たのか 和食にも興味を見せ、「出汁巻き卵と高野豆腐の含め煮を教えて」と
我が家のお正月は 爺さん婆さんとかわいい孫は・・・もう大人になっていてきっとかわいい曾孫?たちで 爺さんの作る出汁巻き卵でお正月を過ごすのかもしれないのだ。と、将来を、いえいえその前に過去の反省がある。

 私たちが結婚したのは夫23歳・私24歳の今から40年前の10月9日のこと。
結婚は☆前と★後では えら~い違いがあるものだ!と私も思ったものです。
当時は日本列島はバブルの泡に埋もれていましたから、一介のサラリーマンの夫さえ早朝出勤・毎晩の帰宅はシンデレラタイムの毎日です。
夫婦の夢を語り合う時間も人生を彩るプランを話す間の無い、少しイライラする生活です。

夢破れるほどではないにしても 『このまま一生を夫の扶養?』是はまずいと取り残された新妻の本能がつぶやく。
そうして、子供が幼い時には暇を見ては資格を取り通信教育で細々と技術の習得をしていたので、『ベターハーフ』なぞと言う言葉も思い浮かべる時間もなかった。

幼い息子は 公園で遊ぶ昼下がり たまたま夫が仕事途中に寄り息子に声をかければ 大声で泣きだす。
息子にしてみれば顔を見た事も会ったこともない怖そうなおじさん・・・(寝ている時間に家を出て深夜の帰宅では当然でした。)・・・バブルの頃の1コマです。

子供の教育期にしても 家でコミュニケーションが取れるはずもなくやがては夫は単身赴任の生活となり、遠くの空の下、ベターハーフどころではくてんでんばらばらに異なる空をながめて暮らす生活です。

都会のサラリーマンは多かれ少なかれ 高度成長やバブルの泡に踊らされこんな生活を送っていたかも知れませんし、バブルの泡が消える頃には何時しか巷には『熟年離婚』などと言うおかしな言葉が乱れ たまに見る仲の良いご夫妻も夫に従うだけのおしどり夫婦か仮面夫婦であったり 人生も人権も含んだハーフ+半分ではなく 尚のことベターハーフは遠のき、あれは アメリカ映画の絵空事だと確信していました。


 やがて、定年間際に何処となくくたびれ色が出始め 田舎暮らし、果樹園ライフになったもののお互いが寄り添い農作業をすれば・・・キッチンに共に立てば・・・・なかなか田舎暮らしハーモニーは生まれない。
次第にそれぞれのリズムで暮らすようになり 夫のリズムは『おそ起き・TV昼寝・読書TV・おそ寝』 私のリズムは『はや起き・農作業・バレエ・家事・ピアノ・はや寝』二人の旋律は重なり合う事もない。

 40年の結婚生活の中、何時しか私の中では夫のマスコット人形ができていて
若かりし彼は、背広姿にビジネスバック、ぴかぴかの靴のサラリーマンの姿(カッコ良かったが)・・・中年ともなる頃は見飽きた後姿となりやがて足元は意識の彼方へ。
そして、お互いに老人となった果樹園ライフでは、彼=トレーナーを着て寝転んでいるトノサマガエル なのだから何時まで経ってもベターハーフには程遠く、しかも頼りにならないトノサマガエル位に思っているところへ。

突然、女神様の 星の杖が(私への罰として)振り下ろされ
夫の身の上に奇跡が起こり
私のレンズ入りの新しい目に映る夫の姿は 白い服のコック長、首には青空のようなブルーのスカーフをしている気の良さそうな白熊になっていた。
その白熊は料理ばかりか 掃除や植え木の刈り込みと愉しそうに口笛を吹きながら歌を口ずさみながらこなしていく。
夜ともなれば、アルコールの入ったドリンク片手に台所の後片つけも上手にこなす。
 
そして私そばに聖母様がやってきて ベターハーフは在るのよ! とホホを寄せてささやきかけている。

 ・・・・・・・わたしたち これから先、果たして何年共に過ごせるのでしょうか
夫が作ったシチュー DSC00908 (2) ですが煮込みがまだ足りません
老夫婦の生活もこれからじっくり煮込むために 夫婦で向き合う時間はたっぷりとる暮らしにしたいと思う退院後の生活です。

                DSC00877 (3)
                  これからです!



入院するまでは『夫を残して先には死ねない』と思っていましたが
今では 何事も二人が同じようにできる!確信が持てます。
3対7でもなく8対2でもないそれぞれが暮らしを楽しむ事が出来る自立したベターハーフ関係ですから
『お先に~!』 『後から行くよ~!』とお互いの手を離す時が来ても きっと安心してウインクすることでしょう。


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プロフィール

Hiromi

Author:Hiromi
花とフルーツに囲まれた緑の暮らし。
果物、特に桃大好き!ジューシーな本物のフルーツを食べたくて山梨で果物栽培&ドライフルーツやハーブ作りを楽しんでいます。
果樹園の暮らしはお肌も心も潤って艶やか。
★桃の花が咲くころは絶景!フルーツの庭はハーブのお花も綺麗、夏は甘い果物いっぱいの庭になります。
麗しい田舎暮らしをブログに紹介することが農地を保存するお手伝いに繋がると嬉しいですネ。
果物作りって新しい歓びが湧きますよ!

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